アジア経営学会

会長挨拶

アジア経営学会会長挨拶

 アジア経営学会第31回全国大会(関西学院大学 西宮上ヶ原キャンパスで2024年9月13~15日に開催)閉会後の理事会で第10代会長に選出いただきました。2027年9月までアジア経営学会の発展に貢献できるよう本学会の運営面で尽力する所存です。会員の皆様方には何卒ご指導ご鞭撻を賜りたく、どうか宜しくお願い申し上げます。

 アジア経営学会は1993年に創立されました。私は創設当初より本学会の会員です。今なお記憶に残っている全国大会での一幕があります。1996年10月5日に武蔵大学で開催されたアジア経営学会第3回全国大会「統一論題セッション」で第1報告者として「日中合弁企業の経営特性と戦略的課題」という論題の下、中国で行った日中合弁企業向けアンケート調査の結果を踏まえ、日中合弁パートナー間の異文化コミュニケーションの密度が業績に寄与すると明言したところ、かかる結論に対し初代アジア経営学会長の野口佑教授より「中国を語るには三千年早い」と痛烈な批評を受けました。多国籍企業に関する御著書の中で、見えざる本質と実態の解明に意を尽くされた野口佑教授の方法論を私自身が大学2年次から意識していただけに、中国企業の実態解明には強く踏み込んだ調査研究の必要性ありと自戒しました。 

 2003年9月初旬に愛知学院大学で開催された日本経営学会第77回大会では、小阪隆秀教授(第7代アジア経営学会会長)とお目に掛かり、アジア経営学会に顔を出して頑張るようにと激励を受け、アジア経営研究に目を向け直し、部会報告から全国大会への足掛かりを築きました。

 自身の過去を振り返っても、アジア経営学会では会長、常任理事、理事、評議員や元役職者をはじめ多数の方々が若手会員に温かく接し、報告の際には研究姿勢を正すよう助言され、その甲斐があって、次回報告への動機付けに資するケースが見かけられます。こうしたアジア経営学会ならではの良き伝統の継承に加え、研究の国際化に向けて当学会員が海外研究者との間で共同研究や共同発表の機会を見出し、継続できるよう、全国大会ではテーマ別国際共同研究セッションとか国際シンポジウムを設けることもいずれ検討課題となるでしょう。そのためには、海外研究者に歩調を合わせて本学会員に重要かつ新しいテーマでの研究を果たせるよう、充実した研究助成制度など研究環境の整備が欠かせません。他方、東アジア経営学会国際連合との関係を今後どのようにすべきかについて、適正な判断を早めに下さねばなりません。第3に、減少の一途をたどる全会員数を現時点の300名から8年前の350名へと戻せるよう会員の方々にも新会員の勧誘に御協力頂きたく願います。

 本学会が今後も会員相互間でアジア経営に関する専門知識の活発なる交換の場としてますます活用されるよう願っています。

 と共に、会員の皆様の御健勝と御研究の発展をお祈り致し、御挨拶とさせていただきます。

 今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2024年10月15日
会長 藤澤 武史(関西学院大学)

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